
研究・学問への取り組み
1995年より独自のメイク法「リハビリメイク」を提唱し、「メイクを学問」にするべく日々調査・研究をし続けています。同じ方法や化粧品を使用してメイクを行い、当事者本人の満足度を、多くの研究で使われる評価法VASやWHO QOL26*などのスケールを用いて分析し、結果をデータとしてまとめ、統計を取ることで学会や論文にて発表しています。
* VAS(Visual Analog Scale)、WHO QOL26(生活の質の評価票)
登録学会
- (社)日本形成外科学会
- 日本美容外科学会
- 日本熱傷学会
- (社)日本皮膚科学会
- 日本神経眼科学会
- 日本口蓋裂学会
- 瘢痕・ケロイド治療研究学会
- 日本女性心身医学会
- 日本抗加齢医学会
- 日本女性医学学会
- 日本レックリングハウゼン病学会
リハビリメイクの歩み
帰国後、リハビリメイクの研究を本格的に始める
WHOの国際的な質問紙で客観的なデータ収集を開始
2018年メンタルメイクセラピストⓇ資格認証事業に関し、内閣総理大臣より公益認定を取得
世界190ヵ国に向けてオンデマンド配信される。
リハビリメイクの研究と成果
REIKO KAZKI学術グループでは、更年期症状を有する女性9名を対象に、2回のリハビリメイク講習の受講、1年間セルフメイク行っていただき、リハビリメイクの効果を調査しました。
見た目に対する自身の満足度(VAS値)の推移
リハビリメイクを継続することで、自身の見た目の満足度は改善します。
- 見た目を評価する評価法として、Visual Analog Scale(VAS)を用い、0を“非常に不満”、100を“非常に満足”とし、第1回メイク講習前後(0日)、第2回メイク 講習前後(10日後)、14日後、30日後、180日後、360日後に取得しました。
- VASはメイク講習後に上昇し、その後自身でメイクを続けていただいたことで数値は安定。導入前のVAS平均値が33.6だったのに対し、1年後は62.3となり、満足度が維持されていることが分かります。
クッパーマン更年期障害指数の変化
リハビリメイクを継続することで、クッパーマン更年期障害指数は改善します。
表を横にスクロールで閲覧できます。
| 0日 | 10日後 | 14日後 | 30日後 | 180日後 | 360日後 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 重症 | Ⅴ | 44以上 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| Ⅳ | 34~43 | 3 | 2 | 1 | 1 | 0 | 1 | |
| 中等症 | Ⅲ | 23~33 | 2 | 1 | 1 | 1 | 2 | 1 |
| 軽症 | Ⅱ | 13~22 | 2 | 2 | 3 | 3 | 2 | 6 |
| Ⅰ | 0~12 | 1 | 4 | 4 | 4 | 5 | 1 | |
- クッパーマン更年期障害指数とは、多くの婦人科で使用されている、更年期障害の重症度を測る指数です。採点後の数値が0~22は軽症、23~33は中等度、34以上は重症と診断されます。
- 被験者の重症度は中等度以上が6人、軽症が3人でしたが、1年後には中等度以上が2人、軽症が7人となりました。被験者の悩みとして多かった多汗やむくみがかづきマッサージによって解消されたことや、見た目の満足度の向上により心理的にも改善が見られ自律神経が安定し、更年期症状が軽減した可能性があります。
出典:日本女性心身医学会雑誌 第14巻第1号 85-93 2009
リハビリメイクでほとんどの患者に対し行うかづきマッサージ。
その効果を実証するため、様々な方面から調査を続けています。
解剖学に基づいたかづきマッサージ
かづきマッサージは解剖学に基づいたマッサージ法で、どの患者様にも有用です。
かづきれいこは血流が一番大事と考え、血流やリンパの流れに沿ってマッサージを行います。それにより血行がよくなり、むくみが改善するのみでなく、顔色が明るくなる効果が期待できます。若々しく健康的な印象になるため、どの患者にも満足度を上げる要素の一つになります。
かづきマッサージによる体積変化
かづきマッサージにより顔の体積が減少します。
- REIKO KAZKI学術グループでは、広島大学大学院医歯薬学総合研究科の二川浩樹教授と共同で、かづきマッサージ前後の変化について調査しました。
- 女性10名に対し、右顔のみかづきマッサージを約30秒行い、マッサージ前後に非接触式三次元形状計測装置を使って体積を測定しました。
- 取得データを専用ソフトを用いてポリゴン化し、変化していないと予想される左顔の数か所で位置を合わせ、右顔のマッサージ前後の差を比較しました。
- 結果、変化した体積の平均値は-22909.49㎣で、マッサージにより体積が減少したことが分かりました。
かづきマッサージの顔面感覚の変化
かづきマッサージは自覚的にも、様々な悩みに対して改善効果があります。
- 女性25名に対し、マッサージ前後の顔面の感覚についてVisual Analog Scale(VAS)を用いて自己評価してもらいました。
- 調査項目は、ほてり、赤み、くすみ、むくみ、たるみ、目の下のくま、しわ、しみ、乾燥の9項目で、VASは0㎜を“気にならない”、100㎜を“気になる”としました。
表を横にスクロールで閲覧できます。
| 質問項目 | マッサージ前VAS平均値 | マッサージ後VAS平均値 | 有意差 |
|---|---|---|---|
| ほてり | 42.2 | 36.0 | NS |
| 赤み | 49.4 | 42.2 | NS |
| くすみ | 73.8 | 44.0 | P<0.005 |
| むくみ | 62.2 | 25.6 | P<0.005 |
| たるみ | 56.4 | 31.4 | P<0.005 |
| くま | 73.6 | 39.8 | P<0.005 |
| しわ | 51.8 | 30.0 | P<0.005 |
| しみ | 66.4 | 50.2 | P<0.005 |
| 乾燥 | 67.6 | 37.0 | P<0.005 |
- 結果、ほてり、赤み以外の7項目でVAS値は有意に減少し、悩みが気にならなくなったことが分かりました。
レーザー治療後の創傷被覆材としての活用とエビデンス
かづき・デザインテープは、形成外科領域においてもその有用性が高く評価されています。とくにレーザー治療後の創傷被覆材としての使用に関しては、実際の臨床での応用実績と、論文報告に基づく確かなエビデンスがあります。
関連論文データ
論文名:「老人性色素斑に対するQスイッチルビーレーザー照射後の創傷被覆材用途としての超極薄粘着シートの応用」
著者:野町健・清水雄介
掲載誌:日本形成外科学会誌 第32巻 第12号(pp897~903)2012年12月発行
和文要旨:
老人性色素斑に対するQスイッチルビーレーザー照射後の被覆材として、機能的・審美的に満足できる材料は少ない。レーザー治療後の理想的な創傷被覆材は、目立ちにくい、軟らかく貼付しやすい、メイクがのる、紫外線を遮光する、といった条件を満たすものと考えられる。今回我々は超極薄粘着シートをレーザー照射後の被覆材用途として37名の女性患者に貼付し、6か月の経過観察を行った。結果として明らかな炎症後色素沈着は13.5%、接触性皮膚炎は0%で、患者アンケートによる満足度では「また使いたい」が81.0%であった。本材料は機能的・審美的に患者の満足度が高く、レーザー照射後の被覆材貼付を自己中断することを防止して、炎症後色素沈着の原因を減らすという意味でも理想的であり、レーザー治療を受けやすい環境を作る一手段になると考えられた。
※2012年の論文では、再使用希望率は81.0%とされていましたが、その後の臨床経験を通じて、現在では97%以上の患者様が再治療時にも同様のカバー方法を希望されるなど、より高い満足度が得られています。
ヴィヴェンシアクリニック院長・野町 健先生のコメント
レーザー治療後のカバーにもデザインテープが大活躍!
「レーザー治療は、シミ取りにおいて最も有効な方法の一つです。しかし、レーザー照射後の10日間は傷に肌色テープを貼ってカバーしなければなりません。テープを貼らないと乾燥して痕が残りやすくなってしまうからです。これが目立つので治療をためらう方も多く、目立たないカバー方法はないものかとずっと探していました。
かづき・デザインテープを知った時は、『これだ!』と思いました。とても薄くて光沢がないので、目立たず、シワになじみ、上からメイクもできる。ほどよい保湿力があり、かぶれる方はほとんどいません。しかも、日焼けも防げます。レーザー後のカバーに応用するには理想的です。
このテープのおかげで、レーザー治療を受けていただきやすくなりました。治療後に人前に出ても傷が目立たないので、接客業の方なども仕事を休まなくて済みます。非常に優れたテープなので、他にもホクロ取り治療後のカバーや、顔面神経麻痺や眼瞼下垂でひどく垂れ下がったまぶたや眉、頬などを引き上げることにも応用し、活用しています。今後も患者様のQOL向上のためにもさまざまな方法を考えていきたいと思っています。」
ヴィヴェンシアクリニック院長・野町 健先生
経歴
- 1989年 六甲学院高等学校卒業
- 1996年 国立島根医科大学(現島根大学)医学部卒業
- 1998年-2000年 高知県近森病院形成外科・消化器外科 勤務
- 2000年-2006年 大阪市立総合医療センター形成外科 勤務
- 2006年-2009年 形成外科、美容外科、美容皮膚科クリニック 勤務
- 2009年-2012年 芦屋デコルテクリニック院長
- 2012年 ヴィヴェンシアクリニック開設 院長就任
- また日中医薬研究会にて渡辺武先生に師事し、2002年から漢方診療をおこなっている。
資格
- 日本形成外科学会(JSPRS)専門医 日本美容外科学会(JSAPS)専門医
所属学会
- 日本形成外科学会(JSPRS) 正会員、専門医
- 日本美容外科学会(JSAPS) 正会員・専門医
- 国際形成外科学会(ISAPS) 正会員
- 日中医薬研究会 正会員・副理事長
- 日本東洋医学会 正会員
ヴィヴェンシアクリニック
大阪府大阪市北区梅田2-4-7 桜橋ニコールビル2階
06(6344)8118
https://vivencia-clinic.co.jp/
医療法人社団済安堂井上眼科病院にて実施
眼瞼痙攣の羞明など非運動性症状に対し、極薄粘着テープ・メイクと遮光レンズ(HDグラス)の有効性を、主観評価(VAS・WHO-QOL26)に加え、東海光学株式会社製の脳波・心拍測定装置「TOKAI Orb」を用いて客観的に検証するパイロット研究。12~15名を対象に施術前後の変化を比較し、感覚過敏改善への効果と他覚的指標による評価法の確立を目指す。
東海光学株式会社 鈴木雅也先生のコメント
施術後、明るい表情に変わる姿が印象的でした
「今回、眼瞼痙攣の患者様に対する調査研究にご協力させていただきましたが、症状に合わせた血流マッサージとテープ貼付による施術後に、患者様の表情がとても明るくなられて喜んでいらっしゃる事例を数多く拝見したのがとても印象的でした。私自身も血流マッサージとテープ施術を体験させていただきましたが、目がすっきり開きやすくなる感覚だけでなく視界がはっきりすることを経験し大変驚きました。なぜ血流マッサージとテープ貼付の施術後にこのような効果が生じるのか、その神経メカニズムについては分からない点が多いのですが、脳波や自律神経系などの客観的な生理指標の計測を通して、その神経メカニズムの一端を明らかにできれば、今後の医療やリハビリテーションへの応用などへの貢献につながるのではと期待しております。」
東海光学株式会社 脳科学推進室 室長/博士(工学)
経歴
- 長年に渡り、脳波による「見え心地」の研究、評価方法ならびに脳波測定装置の開発に取り組む。
脳科学の産業応用や医療・学術への貢献を目指し、積極的に共同研究や研究支援を行っている。 - 2017〜2019年 脳血流による極薄粘着テープの機能評価実験を(有)かづきれいこ、日本医科大学と共同で実施
- 2024年〜 脳波による極薄粘着テープの眼瞼痙攣への有用性検証を(有)かづきれいこ、井上眼科病院と共同で実施